みんなが私を想ってくれている気持ちに、私は生きて応えたい。
「私は、」
みんなの視線が集まる。震える両手を握り合わせた。
「私は、生きるために戦いたい」
お兄ちゃんが目を見開いて私を見つめている。
「死ぬかもしれないってわかってる。本当はね、すごく怖い。でもね、私は死ぬために奏上するんじゃない。一緒に未来を生きるために、奏上するの」
恵衣くんと目が合った。生きてほしいと願ってくれたその気持ちが、私を守ってくれる気がした。
顔を真っ赤にしたお兄ちゃんの頬から大粒の涙がぼたぼたと落ちた。
「そんな言い方、ずるいだろ」
「嘘はつきたくないから」
眉を下げて笑えば、お兄ちゃんがぐっと歯を食いしばった。
「本当に、巫寿がやらなきゃダメなのか」
「生きるためだよ」
お兄ちゃんが項垂れた。長い沈黙が流れたあと、消え入りそうな声で「……分かった」と答えた。
重苦しい会議室内に安堵とも気疲れとも取れる溜息で溢れた。希望を見出したよう室内が沸き立つ。 「静かに!」と声を張ったのは禄輪さんだった。
「反対してるのは祝寿だけじゃないんだぞ」
渋い顔をした禄輪さんが厳しい声でそう続けた。唇を噛み締める。
「────でも、巫寿の力に頼らざるを得ないのも事実だ。まだ子供の巫寿に、全てを背負わせる形になってしまって、すまない。私はいつも、私の大切な人に守ってもらってばかりだな」
目元を赤くしてどこか泣き出しそうな顔で笑った禄輪さんに胸が詰まった。
大きな手が頭の上に乗せられた。いつも励まされ、背中を押してもらった手だ。



