言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


預けていた鈴と剣を受け取ってテーブルの前に置いた。栄本部長がひとつずつ手に取って確認しひとつ深く頷く。


「よく回収してくれた。神器はしばらくの間、こちらで厳重に保管させてもらう。それで────先程の話に戻るが、やはり三種の神器を使うことは不可能だ。見てわかる通り、この剣は装飾刀。他のふたつも使用する目的では作られていない。だから三種の神器では不可能なのだ」

「えっ」


思わずそう声を上げて後ろに経つ眞奉を見上げる。眞奉はいつもの冷静な表情でじっと私を見下ろしている。

どうした巫寿?と禄輪さんに尋ねられて、口を抑えてぶんぶんと首を振る。もう一度勢いよく振り返って眞奉を手招きする。耳を寄せた眞奉に口元を隠して詰め寄った。


「装飾刀だったなんて聞いてないよ! 眞奉めちゃくちゃ使ってたよね!? それはもうバッサバッサと!」

「御祭神からは装飾刀とは聞いておりませんでしたので。バッサバッサ斬れたので問題ないのでは」

「無茶して使って、壊れたらどうするつもりだったの!」

「そっと御祭神に返しておきます」


思わず天を仰いだ。

人間ならまだしも神様から借りたものだよ、これ。そっと返しておくって、めちゃくちゃすぎるよ眞奉。

そういえば持ってきた時も黙って借りてきたみたいだったし、眞奉ってたまに思い切ったことするよな……。

ありがとう、下がっていいよ、と伝えると眞奉は小さく頭を下げたあと空気に溶け込むように消えた。