「巫寿ちゃんは先に友達に会ってこい。皆……稽古場にいる」
「分かりました」
会議には参加したいけれど、皆に会いたい気持ちの方が大きかったのですぐに素直に頷いた。
お兄ちゃんたちとはそこで別れた。社頭を横切り、まねきの社の稽古場を目指す。
自然と足が早くなる。みんなと会うのは三日ぶりだけれど、もう随分と長い間会っていなかったような気がする。長期休暇の時は二週間以上合わなかったりもするのに。
息が弾む。稽古場が見えてきた。数時間前までは指一本動かせないほど疲れ果てていたのに、向かう足取りは軽い。
とにかく二人とも助かったんだ。良かった、本当に良かった。
勢いよく扉を開けて皆の姿を探そうと首を回し、皆を見つけるよりも先に床にずらりと並ぶ異質な白い布に目がとまる。横には小さなロウソクがあって、風に吹かれて傍に飾られた榊の影がゆらゆらと揺れている。
その布は何かを覆い隠していた。布の下のそれは縦長で所々に凹凸があった。ちょうど、人間が横になってその上に布をかけられているような。
すすり泣く声が聞こえた。その白い布に覆いかぶさって、泣いている人たちがいる。
頭が真っ白になった。考えることを拒んでいるようだった。すすり泣く人達の間から青白い頬が見えて、膝ががくがくと震えておぼつかない足でその間をすり抜ける。
稽古場の一番奥に、知っている人達の背中があった。
「み、んな」
小さく呼びかける。充血しきった目で、皆がハッと振り返った。
白衣も袴もボロボロで酷い血のあとがついていた。服から見える身体は傷だらけで、全てを物語っている。
「巫寿ちゃん」



