言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


とにかくよかった、本当に良かった。


「ただな」


そう言って黙ってしまったお兄ちゃん。不思議に思って振り返ると、僅かに赤くなった目でじっと前を見つめている。


「……ただ、本当に激しい戦闘になったらしい」

「でも嘉正くんと来光くんは無事救出されたんだよね?」

「ああ、二人はな」


だったら、どうしてそんなに険しい顔をしているんだろうか?

それきりお兄ちゃんは口を閉ざした。

ふたりは無事だと分かったのに何故かお兄ちゃんの言葉が引っかかり、また胸の片隅にうっすらと不安の影がかかる。


やがて森を抜けて山道の見慣れた道に差し掛かる。木々の切れ目から、月明かりを反射させる瓦屋根が見えた。

頂上へ続く坂道を登れば、私たちの神修だ。