眞奉の優しさを利用して、お兄ちゃんの気持ちを利用して、本当に私は最低だ。 「もう出られるか?」 「うん。今すぐにでも」 「よし、じゃあすぐに出よう。巫寿は眠っていたから気付かなかっただろうけど、さっきちょっと気になることが起きてさ。それも確認したい」 気になることってなんだろう。 向かいながら話す、とお兄ちゃんは膝に手をついて立ち上がった。 窓に浮かぶ折れてしまいそうに細い三日月には霞雲が掛かって鈍く輝いている。もうあと三日もすれば新月だ。