言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー



「で、これからどうするつもりなんだ?」


体を離したお兄ちゃんがそう尋ねてきた。

動揺で思わず目を逸らしてしまい、悟られないように考え込むフリをして俯いた。


「いま私の手元に、芽さんが狙ってる國舘剣(くにたちのつるぎ)御覇李鈴(おはりのすず)があるの。これをかむくらの神職に預けて守ってもらいたい」

「なるほどな。神々廻芽は言祝ぎしか持ち合わせていないせいで復讐ができない……だから「滅び」の神器を使って本庁を壊滅させようってわけか」


ぽかんとお兄ちゃんを見上げていると、顎に手を当てたお兄ちゃんが「どこか違ったか?」と尋ねてきて慌てて首を振る。

かなり端折った説明だったのに一瞬で全部理解するなんて、なんというか────。


「神職としてのお兄ちゃんを知らないから、ちょっとびっくりして。本当に優秀なんだね」

「本当は説教されたいのか?」


ため息を吐いてじろりと私を睨んだお兄ちゃん。慌てて首を振る。


「とにかく私と眞奉だけじゃ守りきれないし、いい隠し場所がある訳でもないから、かむくらの神職に任せるべきだと思ったの」

「話は分かった。じゃあ、いまからその三種の神器を壊そう」


そう言って私の膝の上にある鈴に手を伸ばしたお兄ちゃん。鈴の音色でハッと我に返り、大慌てで奪い返した。


「なんで急にそうなるの!?」

「奪われてまずいなら、壊した方が話が早いだろ。それに俺は初めから、巫寿と合流したあとかむくらの屯所に戻るつもりはなかった」

「どうして!?」