それから数ヶ月もしないうちに、顕現する全ての十二神使が審神者に呼び出された。
今後、言祝ぎの力を十二神使に分け与えることができない。故に全員を結びを解いて御祭神の元へ返したい、ということだった。
十二神使の真の主は御祭神である撞賢木厳之御魂天疎向津媛命であるから、多くの十二神使は特に反対することもなくあっさりと結びの解消に応じた。
その中で、ただ騰蛇だけが現世に残ることを希望した。
騰蛇の願いを汲み取って、騰蛇が現世に残れるように禄輪と呪誓を交わすことを進めた。一時的に結びと同じ関係を築く代わりに、十二神使が主となる人物の願いを何でもひとつ叶える呪いだ。
「どうしてそんなに現世に残りたいの……って、愚問だったわね」
ふふ、と志ようは全てを見透かしたように笑ったあと「巫寿をよろしくね」と騰蛇の頭に手を乗せた。
あの子の瞳が涙で曇らないように、いつまでも輝き続けるように。
あの子が私のことを守ってくれたように、私に名をくれたあの子が健やかに大きくなるまで、ただそばで守ってやりたかった。



