「お、お前! 神職の子供なら泣くんじゃねぇ! 神職たるもの心技体を常に────」
「赤ん坊相手に何言ってんのさ! もー、見てらんない。僕に代わって!」
奪い取るような形で巫寿を抱き上げた天后。
「いい? 赤ん坊はね、こういうのが好きなんだよ! ────そーれ、高い高〜い!」
赤ん坊の脇に手を差し込んで頭上に高く持ち上げた。次の瞬間、巫寿の首がぐわんと後ろに倒れた。壊れた人形のように首がぶらぶらと動いたあと、爆発するように泣き叫ぶ。
天后がギョッと目を見開いた。
「な、な、何こいつ首もげてんだけど!?」
「バカッ、さっき君が首に気をつけろって言ってただろ!」
「あれってそういう意味だったの!?」
ぎゃあぎゃあと慌てふためく玄武と天后に、一歩引いたところでそれを眺めていた騰蛇が静かに手を差し出した。
「え……騰蛇お前、大丈夫なのか? これ赤ん坊だぞ?」
「騰蛇に赤ん坊があやせるわけないよ! いっつもブッチョーヅラで怖いし、協調性もないし。僕らの中でいちばん弱いし!」
そうは言いつつ泣き喚く赤ん坊を抱き続ける勇気もないらしい。無言で両手を差し伸ばす騰蛇に、顔を見合せた二人は巫寿を差し出した。
受け取った騰蛇は、すぐに抱き方を変えた。腕で頭を支え、全身を包み込むように胸のそばで抱きしめる。するとそれまで火がついたように泣き叫んでいた泣き方が、ふえふえとグズるような泣き方に変わる。



