言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー




「きゃぁぁっ、ちっちゃい、可愛い! 私の娘! 私の巫寿〜ッ!」

「もう志よう、それ何度目? それにあなたの娘じゃないわよ」


木漏れ日が降り注ぐ濡れ縁で、志ようは玉のような赤ん坊を抱いて声を上げた。

苦笑いを浮かべた赤ん坊の両親たちは、おくるみに包まれてすやすやとよく眠る我が子の頬を愛おしそうに突ついた。

薄い瞼に幸福が詰まった朱色の頬、よだれでつやつやと輝く唇。何もかもが小さくて、宝物のように輝くその赤ん坊に上手く言葉が出てこなかった。


「祝寿の時も抱かせてあげたじゃない」

「それはそうだけど……! でもやっぱり男の子と女の子じゃ感じ方が違うって言うか、祝寿よりもちっちゃいしふわふわだし、え、本当に生きてる……?」

「生きてる生きてる」


からからと笑った父親に、志ようは「はぁ……」と感心するように小さく息を吐いた。

約一ヶ月ほど前、親友の一恍(いっこう)泉寿(せんじゅ)の間に二人目の子供が生まれた。産まれる前に「お宮参りをどうしよう」という相談を受けていて、「それなら是非うちで!」と二人をかむくらの社へ招いたのだ。

神事の最中は騒ぐことも泣くこともなく志ようを手伝う十二神使たちを興味津々に眺め、終わればミルクを飲んだあとすぐに眠った巫寿。泉寿から「手がかからない子」という話は聞いていたが、本当にその通りのようだ。