眞奉と背中合わせで立ち止まった。すぐに妖狐たちに囲まれる。妖狐たちの尾っぽにボワッと青白い炎がともる。すぐさま略拝詞で結界を生成すると、乳白色の薄い結界に怪し火が当たって火花を散らして弾けた。
「護りは私が」
端的にそう言った眞奉が、結界の外に飛び出して國舘剣で炎を切り裂く。噛み付こうと牙を向いて飛びかかってくる妖狐には、容赦なく大振りの峰打ちを食らわせる。
すぐに結界を解いてもう一度手を打った。
「なつもきつ ねになくせみの からころも 思ひけひの 身の上へきよッ!」
ドォン、と激しい爆発音とともに私を中心とした衝撃波が狐たちを吹き飛ばした。
「君、こちらです」
眞奉が狐たちが倒れる奥の茂みを指さした。一気にそこへ突き進む。妖狐たちが起き上がっているのが横目に見えた。また追いつかれるのも時間の問題だろう。
隠れるにしても背が高い細い木しかない。志ようさんの結界の中に戻るには離れすぎた。一体どうすれば。
唇を噛み締めたその時、前方から茂みが揺れる音がして木々の隙間から白い光がちらちらと漏れるのが見えた。
もう回り込まれたのか。
やはり撃退するだけじゃダメだ。ここまで来たらもう戦うしかないのか。
「眞奉……!」
「大丈夫です」
そう答えた眞奉が私の隣に並ぶ。次の瞬間、
「────その声、巫寿か!?」
茂みから現れたのは、スマホのライトをこちらにかざす祝寿お兄ちゃんだった。



