*
廃神社内に入ってすぐ、三年の先輩たちと別れて激しい戦闘が繰り広げられる拝殿を駆け抜けていた。
「泰紀、止まれッ」
名前を呼ばれて反射的に歩みを止めた泰紀。「守り給え!」────省略した祝詞はちゃんと効果を発揮した。泰紀の右半身を見るように卵色の薄い膜が現れ、流れてきた怪し火を弾き飛ばした。
顔を引きつらせた泰紀が額の汗を拭いながら振り返る。
「あっぶねぇッ! ナイス恵衣……ッと!」
いつの間に調達したのか、自分と同じくらいの背丈がある細長い木の板を振り向きざまに突き出した泰紀。恵衣の頬横をすり抜けたその木の板は、背後に迫っていた黒狐の額を思い切り突いた。黒狐が白目を剥いてうめき声と共に床に倒れ込む。
それを見下ろし、二人は無言で拳をぶつけ合った。
ここまで来る途中に倒れている神職を介抱して、幹部陣は本殿へ入ったことを聞いている。恐らく来光達もそこにいるのだろう。
しかし流れてくる怪し火を防ぎ、激しい戦闘で吹き飛ばされた仲間を受け止め、よろめいてきた敵は蹴り倒して進んでいると思いのほか進みが悪かった。
先輩たちは無事なのだろうか、と考えて飛んできた火球にすぐにそんな考えは吹き飛ぶ。まずは自分の身を守ることが最優先だ。
「泰紀!? 恵衣も! お前たちどうしてここにいるんだ!?」
泰紀に掴み掛ってきた黒狐をその背後から投げ飛ばしたのは豊楽だった。
廃神社内に入ってすぐ、三年の先輩たちと別れて激しい戦闘が繰り広げられる拝殿を駆け抜けていた。
「泰紀、止まれッ」
名前を呼ばれて反射的に歩みを止めた泰紀。「守り給え!」────省略した祝詞はちゃんと効果を発揮した。泰紀の右半身を見るように卵色の薄い膜が現れ、流れてきた怪し火を弾き飛ばした。
顔を引きつらせた泰紀が額の汗を拭いながら振り返る。
「あっぶねぇッ! ナイス恵衣……ッと!」
いつの間に調達したのか、自分と同じくらいの背丈がある細長い木の板を振り向きざまに突き出した泰紀。恵衣の頬横をすり抜けたその木の板は、背後に迫っていた黒狐の額を思い切り突いた。黒狐が白目を剥いてうめき声と共に床に倒れ込む。
それを見下ろし、二人は無言で拳をぶつけ合った。
ここまで来る途中に倒れている神職を介抱して、幹部陣は本殿へ入ったことを聞いている。恐らく来光達もそこにいるのだろう。
しかし流れてくる怪し火を防ぎ、激しい戦闘で吹き飛ばされた仲間を受け止め、よろめいてきた敵は蹴り倒して進んでいると思いのほか進みが悪かった。
先輩たちは無事なのだろうか、と考えて飛んできた火球にすぐにそんな考えは吹き飛ぶ。まずは自分の身を守ることが最優先だ。
「泰紀!? 恵衣も! お前たちどうしてここにいるんだ!?」
泰紀に掴み掛ってきた黒狐をその背後から投げ飛ばしたのは豊楽だった。



