瑞祥が巾着を勢いよく広げた。勢いよく中身が飛び散り、床の上に転がった丸薬を拾い上げて、僅かに開いたままになった亀世の口に押し込む。そして何度もその頬を叩いた。
「おい、おい亀世! 黄泉返りの薬飲ませたぞ! おい起きろよ! 返ってこいよ! 嫌だ、嘘だろ、起きろよ亀世ッ!!」
何度も何度も頬を叩く。開きかけの口から丸薬がこぼれ落ちた。床の上を転がっていく。かろうじて繋がっていた糸が、その瞬間プツリと切れた。
咆哮のようなふたりの叫び越えを聞いて、神職数名が駆け付けた。血溜まりの中で事切れた亀世を抱えて慟哭する二人に言葉を失う。
遅れて到着した景福には、もうどうすることもできなかった。



