「麻賀礼や麻賀礼よ 麻賀礼や麻賀礼よ 麻賀礼や麻賀礼よ」
天司が同じ呪詞を唱えた。天司が放った残穢が鶴吉の残穢を飲み込み、進行方向を変えて戻ってくる。
自分がどうなろうと構わない。とにかくこいつを、聖仁の敵を殺すんだ。あいつが受けた痛みよりももっと激しい苦痛を与えて、殺してくださいと懇願するほどの苦しみを。
善意で、光で、希望で。俺たちの大切な親友を。
その命の光を消したこいつを殺すんだ。
『もし二人が呪と言祝ぎを分けて生まれたとしても、俺は友達になってたよ。双子がどうとか関係なく、俺は鶴吉と亀世って人間が好きだから』
────双子に生まれたと言うだけで、あちこちから敬遠された幼少期だった。
多くの双子が呪と言祝ぎを分けて生まれてくる中で、言霊を等しく半分に宿し生まれてきた稀な子供。それが俺たちだ。
双子は凶兆、神職の家系に生まれたならば誰もがそう教えられる。だから双子というだけで嫌煙されるのは無理もない。
自分たちが稀なタイプである方を説明すれば、距離を取りながらも口をきいてはくれるようになるし、分け隔てなく大切にしてくれる家族もいる。憎たらしいけれど一番の理解者もいる。
それだけでいいと思っていた。
『わっ、おんなじ顔だ! おまえら双子!?』
『瑞祥、そんないいかた"シツレイ"だよ』
初等部に入学して出会った瑞祥と聖仁。
思い返せば初めて会ったその日から、聖仁は俺と亀世を双子としてじゃなく一人の人間として見ていた気がする。
『そんなに似てるかな? おれは、ぜんぜんちがうと思うけど』



