「それよりさっきのやつだよ。亀世お前、作戦がどんな流れか分かるのか?」
「まぁ何となく」
「そこんとこ詳しく!」
ちらりと周囲に目をやった亀世は、人差し指をクイッと曲げて顔を寄せるように合図した。怪しまれない程度に円を小さくして亀世に近付く。
おほん、と咳払いをした亀世は「いいか?」とメガネのブリッジを押し上げた。
「かむくらの神職が40名程度なのに対して、敵は黒狐族の残党にその他芽に組した妖一族、プラス妖狐にぬらりひょんに烏天狗、そして大将の神々廻芽。黒狐族の残党だけでも100以上はいるらしいから、間違いなく数の利は向こうにある仲良く全員で突っ込めば、もれなく全滅だ」
去年、八瀬童子の里が黒狐族によって襲撃された際、かむくらの神職と本庁の役人によってその一部が確保されている。けれどあくまでそれは一部であって、三分の二は逃げられたと聞いている。
逃げられた黒狐族が全員芽側についているとするならば確かに百人以上いるはずで、もれなく全滅という表現も誇張ではなくなる。
「今回はあくまで救出がメインの突撃だ。そういう場合、私なら間違いなく"波状攻撃型で中央突破の短期決戦"を狙う」
「ハロー攻撃でチューを突破? なんだよそれ」
一応これでも先輩なので「どんな耳したんだよ」というツッコミは言わずに飲み込んだ。
亀世の説明はこうだ。
芽がいる本丸を守る周囲の黒狐族たちを一人ずつ倒すには時間も労力もかかる。そこで敵陣の一部分にだけ穴をあけてそこから雪崩込む形で本丸まで突入する中央突破で乗り込む。そして人員を第一波、第二波とわけて投入する波状攻撃で攻める事で、少ない人員で攻撃力を弱めることなく進められるのだとか。



