言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー




偵察隊の黒貫が屯所を発って数時間が経過した。報告の連絡はまだない。

救出作戦の大まかな段取りは整ったものの黒貫の連絡がない限り最終調整までは進められず、じりじりと時間だけが消費されていく。


「他の偵察部隊を出すか?」

「いや、手掛かりが一切ない状況だ。無駄足になるのは避けたい」

「しかし連絡が遅すぎる。黒貫のやつは一体何をしているんだ!?」


禄輪ら幹部陣が険しい顔で話し合うのを横目に、恵衣ら学生勢は豊楽の指示の元、応急手当に使う薬剤の調合を進めていた。


「幹部陣、揉めてんな」


呟いた鶴吉にひとつ頷く。第一報が届くと思っていた時刻はとうの昔に過ぎた。

何か問題が起きたか?


「こら、子供たちは本作戦に関わらない」


いつの間にか身を乗り出して聞き耳を立てていたらしく、豊楽によって首をぐりんと元に戻される。

心の中で舌打ちして、手元に視線を戻した。


「本作戦には関わらせないつっても、俺らも同行するんだろ。大まかな流れだけでも知っとくべきじゃないのか」


的をえてた泰紀の問いかけに豊楽は苦笑いを浮かべる。