最後に顔を見たのは聖仁が死んだ翌日に、運び込まれた病院に瑞祥が駆けつけた時だった。元々白い顔をもっと白くして駆け付けたあいつは、自分たちには目もくれず霊安室に飛び込んだ。
どれだけ待っても出てくることはなくて、薫に促されて先に神修へ戻った。その日から一度も顔を合わせてない。
正直それにほっとしている自分がいた。瑞祥に会うのが怖かった。
「久しぶり。瑞祥お前、メッセージ無視すんなよ。せめて既読くらいつけろ」
返事はない。
こんな話をしに来たわけじゃないのに、本題から逃げるように気が付けば関係のない話ばかりが口から出た。
分かっていたつもりなのに、認めるのが怖くて、認められることで責められるのが怖くて、何よりもこれまでの関係が壊れてしまうのが怖かった。
震える両手を握りしめ、ゆっくりと息を吐いて天井を見上げた。
「────聖仁が死んだのは、私のせいだ」
目頭が燃えるようにカッと熱くなった。
あの日から胸を占めていたのは激しい後悔だった。
あの日あの場所で、自分はただその場に凍りついて、後輩に手を引かれて逃げることしか出来なかった。もしあの場にいたのが私じゃない誰かだったら、鶴吉や瑞祥だったら、もっと違う結末になっていたのかもしれない。いいや、きっと瑞祥なら間違いなく聖仁を助けられたはずだ。
もしも私が休みの間に黄泉返りの薬を完成させていれば、もしも私が薫先生の誘いに乗ってかむくらの神職の特訓に出ていれば、もしも私があの場で適切に動けていれば。



