言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


芽の企みは冬休みの強化合宿の際に、前本部長である玉嘉(たまよし)からある程度の予想を聞かされてはいたけれど、本人の口から聞いたことでより一層その計画の恐ろしさが際立つ。

震える唇を噛んで抑えて、ゆっくりと口を開いた。


「僕……ずっと不思議に思ってたことがある」

「ん? なんだい?」


芽は変わらず人のいい笑みを浮かべながら首を傾げた。


「どうして空亡と三種の神器を利用するんだ? あんたレベルの人なら、そんなのに頼らなくたって本庁を壊滅させられたはずだろ」


芽の当時を知る神職たちが口を揃えて言っていた。「あんな風になるまでは、本当に優秀な学生だった」と。

つまり芽は知識もある、力量もある。人ひとりを呪い殺すことなんて容易いはずなのに、どうして配下を増やし神器を集め、空亡に頼るのか。

予想外の質問だったのか芽は目を丸くした。


「とっくに分かってて阻止されてるのかと思ってたけど……そうか、双子なんて滅多に生まれないもんね。そりゃ分からないか」


まぁ話してもいいか、いずれバレることだし。

芽は俯いてそう独りごちると、ほんの少し身を乗り出して来光を見た。


「俺が言祝ぎしか持ってない、双子の片割れであることはもちろん知ってるよね?」

「……知ってる」


来光が眉を寄せてひとつ頷いた。

芽が薫の双子の兄だと言うことは知っているけれど、それとなんの関係があるんだ?