薫に連絡を取ると、案の定かむくらの神職たちは屯所に集まっているようで、泰紀が戻ってくるのを待って四人揃って屯所へ向かった。
屯所へ入るなり待ち構えていたのは腕を組み仁王立ちする禄輪と、呆れた顔をした薫で、生まれて初めて泣きそうになるほど強烈な拳骨を食らった。
「お前がそんなに馬鹿だとは思わなかった! どれだけの大人が心配してお前たちのことを探し回ったか分かってるのか!?」
何一つ反論ができない説教に縮こまる。鬼の形相の禄輪は、本当に顔をあげられないほど怖かった。
「なぜこんな無茶をしたんだ! あれだけ大人に頼ることを教えたのに────恵衣には教えていなかったな……」
途中で言葉を濁らせた禄輪。
「オッサン、それ残念ながら恵衣がいない時の説教だね」
横から口を挟んだ薫に、禄輪はいっそう顔を険しくする。
どうやら自分のいない所で、巫寿たちはこれまで散々説教を食らってきたらしい。
「とにかく説教は後だ。話を聞くから大広間に来なさい」
床板が踏み抜けそうな勢いで廊下を戻って行った禄輪。
今度は薫が一歩前に出て手を挙げた。思わず身構えるも脳天に降ってきたのは軽い手刀で、「え、」と声を上げたと同時に力一杯抱きしめられた。
「お説教はこの後色んな大人たちから死ぬほど頂戴するだろうから、俺からはこれを。────よく無事で戻った」
いつも飄々としている担任の声が震えていた。それほど自分たちは迷惑と心配をかけていたのだと自覚する。
それと同時に、自分の安否を心の底から純粋に喜んでくれることが泣きたくなるほど嬉しかった。



