呆然とそれを見ていた凛花ちゃんが大きな目で恵衣くんを見つめる。
「今の、何?」
「説明したところで理解できるとは思えないが」
「ちょ、恵衣くん……」
今日の恵衣くんはなかなか尖っている。1年生の頃に戻ったみたいだ。
まぁ確かに、私もこの世界のことを聞かされた時は、ちゃんと理解するまでに丸一日要したから間違ってはないのだけれど。
「終わった? こっちもオッケー、今なら出られる」
嘉正くんが指で丸を作って振り返る。
「行くぞ、巫寿」
すくりと立ち上がった恵衣くんがスタスタと歩き出す。
「あ、うん! 凛花ちゃん、私たちの真ん中を走って」
「わ、分かった」
緊張した面持の彼女の背中に手を添えて、私たちは女子更衣室をそっと抜け出した。



