角を三つ曲がったところで、大きな建物が現れた。
オレンジ色に錆びた背の高いトタンの建物には蔦が絡みつき、「立ち入り禁止」の看板が針金で結び付けられたフェンスは所々穴が空いたり倒れたりしている。好き放題に伸びきった雑草の茂みの奥には、土埃で汚れたフォークリフトや什器、廃材が転がっているのが見えた。
恐らくもう稼働していない廃工場なのだろう。
そして確認するまでもなく、叫び声の主たちを見付ける。転がるように走ってくるのは、同い年くらいの男女五人組だった。
「叫び声がしたけど、何があったの!」
嘉正くんがそう声をかけると私たちの存在に気付いたらしい、取り乱した顔にどこか安堵を滲ませて「助けてくれ!」と駆け寄ってきた。
髪を明るく染めた、見るからにヤンチャそうな男女だった。
「助けてくれ! な、なんか急に変なのに襲われて!」
「もうヤダ! だから私行きたくないって言ったのに!」
「なんだよアレ!? どーなってんだよ!」
泣き崩れる女の子たちにパニックに陥る男の子たち。話がよく分からないけれど、とにかく何かに襲われたらしい。
おおかた、廃工場に肝試しに入ったところを妖に襲われたんだろう。
「ッ……!」
「ちょっと大丈夫!?」
一人の男の子が肩を抑えて座り込んだ。
抑えている指の間から赤い血が滴り落ちる。顔は青白く、失血で体温が下がっているのかガタガタと震えていた。



