みんながパッと顔をあげ、その表情には緊張が走る。悲鳴とともに濃厚な残穢が風に乗って流れてきたからだ。
「この残穢……数が多いね」
来光くんがメガネを押し上げて残穢が流れてくる方を睨んだ。恵衣くんは渋い顔で悲鳴が聞こえた方角を睨む。
「今は自分たちの目的が優先だ────って言ったところで、お前たちは飛び出していくんだろ。お人好し集団」
はぁ、と額を抑えて溜息を吐く。もう既に前のめりになっていた私たちは顔を見合せて苦笑いだ。
ったく、と呆れた顔をした恵衣くんが前に出た。
「本庁に通報する。他の神職が駆けつけたら直ぐに離れるからな」
了解、と声を揃えた私たちは一斉に駆け出した。



