しれっと答えた恵衣くんに、男子二人は絶句する。
その気持ち分かるよ、わかる。
「お前、本当にチーム罰則に感化されちゃったね……」
「本当にな」
「自覚あるんだ」
いつかのやり取りと全く同じで小さく吹き出した。
「専科の卒業式の日は本庁が手薄になると伝えておいたから、もう潜入は済んでいるはずなんだが連絡がない。おそらく失敗したんだろうな」
「本庁に潜入なんて、成功する方が奇跡だろ」
嘉正くんの言う通りだ。
本庁の庁舎内は至る所に御札が貼ってあって、通行許可札を持っていなければ即刻通報されるシステムだったはずだ。
「まぁでも、アイツなら上手くやるだろ」
ずずっとまた湯呑みを啜った恵衣くんに、今度は私も含めた全員がポカンと口を開けて言葉を失った。
規律が絶対でいかなる時も自分を貫くあの恵衣くんが、結果を他人に委ね、それを信じて待っていることが何よりも衝撃的だった。
「だから、審神者の最後の祝詞に関してはあまり考えなくていい。俺たちはまずは三種の神器を確保し、安全な場所に移すことを考えるぞ」
私たちはお互いに顔を見合せた。やれやれと少し呆れた顔をして笑うと、「了解」と声を揃えて応えた。



