やっと納得する程度片付いたのか、恵衣くんが机の前に腰をおろしおにぎりの包装に手を伸ばした。
「で、白虎が出てきそうな気配はあるのか」
ちらりと視線を向けられて、力なく首を振る。
「正直言うと、全くない」
かむくらの社へ行けばなにか分かるかもしれない、みんなどこかそう期待していたので申し訳なさに縮こまる。
「そう簡単に上手くいくとは思っていないから安心しろ。これがダメなら別の方法を考えればいい」
励ましなのか、それとも最初から本当に期待していなかったのか微妙な言葉を頂戴しなんとも言えない顔でおにぎりにかぶりついた。
「スマホの予想では今日の日の入りは18時前だ。念の為一時間前にここを出るとしても、あと5時間はある。焦るなよ」
「だね。白虎が現れなかったとしても、貴重な書物は沢山あるからいくつか拝借していこう。審神者の最後の祝詞の、手がかりになるかも」
来光くんの「拝借」という言葉に頬をひきつらせた恵衣くん。葛藤の末聞かなかったことにしたようで、無言で湯呑みを啜った。
その時、嘉正くんが「あ」と顔を上げる。
「そういえば、帆負命の家で恵衣が"ある人に頼んだ"って言ってた件、あれなんだったの?」
恵衣くんが「ああ」とひとつ頷く。
「泰紀だ。あいつに本庁に忍び込んで、資料室に厳重保管されている空亡戦に関する資料を見てくるよう頼んだ」



