言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


12時を少し過ぎた頃に恵衣くんからグループトークに「一旦集合」というメッセージが入り社務所に戻ってきた。

先に戻って来ていた皆は、来る途中で買ったおにぎりを食べてお昼休憩を取っていた。


「おかえり巫寿ちゃん。そっちどうだった?」


私が選んだおかかおにぎりを袋から投げてよこした来光くん。お礼を言いながらキャッチして首を振る。


「まあそう都合よく現れるワケないよね。こっちも全然手がかりなしだよ」


どこかから持ち出したのであろう巻物を読みながら梅干しおにぎりを齧る嘉正くんが溜息を吐く。

その時、席を外していた恵衣くんがお盆に急須と湯のみをのせて現れた。


「おい、机拭いたのか。よくそんな汚い机で飯が食えるな」

「神聖な場所だから汚くないでーす」


来光くんの軽口に頬をひきつらせる。黙々と机の荷物をどかしてテーブルを拭く。手伝うよ、とお盆を代わりに持った。


「茶葉は使えるやつなんだよな」

「あ、うん。前に来た時に、禄輪さんが持ってきたやつだから」

「ならいい」


湯呑みを並べて手際よくお茶を注ぐ恵衣くん。空いてるスペースにお皿を並べて、みんなが直置きしているおにぎりを皿の上に載せ直した。

寮生活の時から薄々気付いてはいたけれど、恵衣くんって本当に綺麗好きだよね。

巻物から顔を上げた嘉正くんがくすりと小さく笑う。


「ありがとう恵衣母さん」

「こんな衛生観念のない息子を産んだ覚えはない」

「母さんは否定しないんだ」

「バカなのかお前」


恵衣くんの「バカなのかお前」を久しぶりに聞いた気がしてなんだかおかしい。それにしても、随分気軽に軽口を叩くようになったものだ。