苛立ちを抑えられずに大声で叫んでしまった。一人と二匹は呆気に取られてシン……と静まりかえる。
「私は! あなたたちにもう一度話して欲しいの!」
『ニャ?』
「猫と話? 夢の話ですか?」
キョトンとした福田さんを見て、大事なことを思い出した。
「福田さん、スタジオに入ってください。ザラメも!」
猫たちの言葉は、マイクを通さなければ彼女に伝わらないのだ。
半ば強引に、グイグイと彼らをスタジオに押し込む。
「なにするニャ!」
「あ、すごい。本当にイヤホンがなくてもザラメの言葉がわかる」
マイクのスイッチがオンになっているスタジオ内ではザラメの声がダイレクトに聞こえてくる。
「え! え!? これ、あの夢と同じ……?」
戸惑う福田さんにニコリと笑いかける。
「夢じゃないんです」
彼女はまた不思議そうな表情を浮かべた。
「こんなヤツと話すことなんかないニャ!」
出て行こうとするザラメの首根っこをムンずっとつかむ。
「ダメよ」
「ニャー!!」
ずっしりと重いザラメがジタバタと暴れて今にも逃げられてしまいそうだ。
「この番組は、〝メアリーの遺志を継ぐ番組〟なんでしょう?」
その言葉にザラメの動きがピタリと止まった。
「メアリーはここで放送するラジオを、みんなの心のよりどころになるような番組にしたいって言っていたの。だけど福田さんはこの番組で泣いてしまったし、今も悲しんでる。それでいいの? 彼女の心は傷ついたままなのよ?」
ザラメは黙って聞いている。
「どうして、亡くなった猫のことを『早く忘れろ』なんて言ったの?」
「…………」
「ザラメ?」
「…………」
「津奈子さん、もういいんです」
口を開いたのは福田さんだった。
「猫のDJさんにはきっと私が、未練たらしくて情けなく映ってしまったんですよね。不快にさせてごめんなさい」
彼女は立ち上がって、金曜のように悲しげな瞳のまま出て行こうとしている。
「福田さん! ザラメ!」
彼女はもうスタジオのドアに手をかけている。
「……そんなんじゃないニャ」
福田さんが振り返った。
「お、お前が……食欲がわかないなんて言うから」
「え……?」
「メアリーが死ぬ前に、よく言ってたニャ……」
ザラメがメアリーとの思い出を語り始めた。
メアリーは魔法使いだから自分の死期が近いのをわかっていたらしい。
「私は! あなたたちにもう一度話して欲しいの!」
『ニャ?』
「猫と話? 夢の話ですか?」
キョトンとした福田さんを見て、大事なことを思い出した。
「福田さん、スタジオに入ってください。ザラメも!」
猫たちの言葉は、マイクを通さなければ彼女に伝わらないのだ。
半ば強引に、グイグイと彼らをスタジオに押し込む。
「なにするニャ!」
「あ、すごい。本当にイヤホンがなくてもザラメの言葉がわかる」
マイクのスイッチがオンになっているスタジオ内ではザラメの声がダイレクトに聞こえてくる。
「え! え!? これ、あの夢と同じ……?」
戸惑う福田さんにニコリと笑いかける。
「夢じゃないんです」
彼女はまた不思議そうな表情を浮かべた。
「こんなヤツと話すことなんかないニャ!」
出て行こうとするザラメの首根っこをムンずっとつかむ。
「ダメよ」
「ニャー!!」
ずっしりと重いザラメがジタバタと暴れて今にも逃げられてしまいそうだ。
「この番組は、〝メアリーの遺志を継ぐ番組〟なんでしょう?」
その言葉にザラメの動きがピタリと止まった。
「メアリーはここで放送するラジオを、みんなの心のよりどころになるような番組にしたいって言っていたの。だけど福田さんはこの番組で泣いてしまったし、今も悲しんでる。それでいいの? 彼女の心は傷ついたままなのよ?」
ザラメは黙って聞いている。
「どうして、亡くなった猫のことを『早く忘れろ』なんて言ったの?」
「…………」
「ザラメ?」
「…………」
「津奈子さん、もういいんです」
口を開いたのは福田さんだった。
「猫のDJさんにはきっと私が、未練たらしくて情けなく映ってしまったんですよね。不快にさせてごめんなさい」
彼女は立ち上がって、金曜のように悲しげな瞳のまま出て行こうとしている。
「福田さん! ザラメ!」
彼女はもうスタジオのドアに手をかけている。
「……そんなんじゃないニャ」
福田さんが振り返った。
「お、お前が……食欲がわかないなんて言うから」
「え……?」
「メアリーが死ぬ前に、よく言ってたニャ……」
ザラメがメアリーとの思い出を語り始めた。
メアリーは魔法使いだから自分の死期が近いのをわかっていたらしい。



