ただ、君に笑っていてほしかった。~30日の奇跡と、空白の19日の秘密~

『……葉月(はづき)くん』
梨桜(りお)さん……』
 公園でぼーっとしていると、梨桜(りお)さんに声をかけられた。
『残り3日だから、思いっきり楽しもうと思ってたら、こんなところで、暗ーい顔してる葉月(はづき)くん見つけちゃったから、思わず声かけちゃった』
 ……そうか。
 梨桜(りお)さんの残りは、3日……。
梨桜(りお)さんは、……最後、誰と過ごすんですか?』
『……私の家族と、親戚。あと、愛梨(あいり)の家族。……家族ぐるみの仲だったからね、愛梨(あいり)とは。……49日、みんなで集まるんだって。……私の家に』
『……でも、家族には、見えないんですよね?それって、悲しくなったり……』
『なると思うよ。しかも、いつ迎えが来るかも分からない。……途中で消えちゃうかもしれない。……でも、私は、最後をみんなと過ごしたい。……その前日には、愛梨(あいり)が、芽依(めい)ちゃんとか、小学の頃の友達呼んで遊ぶらしいから、私はそれについていく』
 寂しそうだけど、……楽しそう。
 そんな、目をしていた。
『……ぼーっとしてたら、あっという間に過ぎちゃうんだから。もう考えときなよ。……最後を、誰と、どこで過ごすのか』
 梨桜(りお)さんは、そう言って、どこかへ行ってしまう。
 ……最後を、誰と、どこで過ごすのか……。
雪宮(ゆきみや)と、かなぁ……』
 家族とは嫌だしなぁ。
 友達と過ごすのも、向こうから自分が見えないのは嫌だし……。
『……じゃあ、どこで過ごすか……?』
 どこが良いんだろう。
 分からない。
 それに……。
雪宮(ゆきみや)が、その日、暇かどうかも分からないし……』
 もし雪宮(ゆきみや)が無理なら、一人になるなぁ。