ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


そして放課後がやってきた。
碧斗は今日の昼休みも俺たちと一緒に食べようとしなかったし、教室移動もいつも俺の隣にいるのに、今日は一樹の隣にいて……完全に俺を避けていた。

話せる機会はなく、俺とふたりになりそうになったら席を立ち上がってどこかに行ってしまう。

こんなの嫌なのに……っ。

ホームルームが終わり、碧斗がカバンを持って席を立ち上がる。
いつもなら俺の席に来てくれるけれど、この日はそのまま廊下に出てしまった。

謝らないと……。

「あ、碧斗」

俺が慌てて廊下に出てひきとめるけれど。
振り返った視線は冷たかった。

「なに?今日用事あるから早くしてほしいんだけど」

──ズキン。
突き放すような冷たい声。
目は全然合わない。

「あ、いや……ごめん大丈夫」

俺は何も言えなくなって視線を彷徨わせた。
すると碧斗は「じゃあ……」と言ってそのまま立ち去ってしまった。

「……くそ」

胸の奥がズキンと痛む。
なんか、苦しい……。

俺はひとり家までの道を歩き出した。