ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる



俺は失恋で傷ついてるっていうのに、からかいやがって……!

もういい。そんなテキトーされるならノってやるよ。

「じゃあ俺……碧斗と付き合うわ」

ふざけ半分、ヤケ半分。
碧斗の肩を組みながらそう伝える。

「確かに碧斗が俺のこと一番理解してくれるしぃ?こんな俺にも優しいし、包み込んでくれるしぃ?」

碧斗の方を見つめながらそんなことを告げる。

「俺ら付き合いまーす」

俺がそう告げると、碧斗は一瞬、きょとんとした後いつもみたいに穏やかに笑った。

「うん、そうしようか」

その返事は、あまりにもあっさりと俺の耳に届いた。

顔を上げると、碧斗がなにを考えているか分からない表情でこちらを見ていた。

黒髪の前髪がさらりと額にかかり、どこまでも冷静な目が俺を捉えている。

──ドキ。

な、なんだよ。その本気みたいな目。
ちょっとドキッとしちまったろーが!

その時、隣にいた悠馬がふざけた声を上げた。