「ゲームとか興味ないし、まぁいいや。食べたら行こう」
興味なさそうに言う女子。
俺に向けられる視線は、道端の石ころを見るようなそれだった。
(……地獄だ)
俺は端っこで縮こまりながら、ぬるくなったウーロン茶を啜った。
会話に入ろうとしても「ふーん」で流され、料理を取り分けようとしても「自分でやるからいい」と拒絶される。
これが、俺が求めていたキラキラした青春なのか?
いや、違う。
こんな空気、ちっとも楽しくない……っ。
ふと、碧斗の顔が頭をよぎった。
あいつなら、俺がどんなくだらない話をしても「うんうん」って聞いてくれるし、俺がボケたら笑ってくれる。
無言の時間さえ心地いいと思えるのに。
(……俺、なにやってんだろ)
碧斗をダシに使おうとして、結局ウソついて。
そのバチが当たったんだ。
こんな気まずい合コンにいるくらいなら、碧斗の家で漫画読んで、くだらないことで笑い合ってる方が百億倍楽しかったな……。


