ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる



「分かった!んじゃ、出来るだけ頑張って碧斗のこと誘ってみるからよ」
「まじか……!救世主!頼んだぞ、凪」

健司は俺の肩をポンっと叩くと、ご機嫌にその場を去っていった。
健司には悪いが、碧斗は誘ったというていにして……当日は熱があるとか言えば合コンは無事開催されるだろう。

企むような笑みを浮かべていると、碧斗が戻ってくる。

「凪、お待たせ。帰ろう」

なんか、機嫌いいな。
いつもと違う碧斗にまたモヤモヤしてしまう。

なんだよ、水野先輩といい感じになったってわけ?

「……つーか。水野先輩どうだったんだよ」

俺はできるだけ平静を装って聞いた。

「ああ、水野先輩? すごくいい人だったよ」

ふわりと笑う碧斗。

……は?
いい人だった?

そんなこと聞きてぇんじゃねぇし!

俺の胸の中はイラだちでいっぱいになった。

「あっそ」

そう吐き捨てると歩き出す。
しばらく沈黙で歩いていると。

「……凪」

後ろから、碧斗が心配そうな声で俺を呼んだ。