ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「なぁ凪、お前さぁ……久遠と仲いいよな?」

「おう、まぁ仲はいいけけど」

今や彼氏だけどな。
心の中でツッコミを入れる。

健司は周りをキョロキョロと見回してから、声を潜めて言った。

「実はさ、今度の土曜に合コンやるんだけど……メンツが足りなくてさ」
「合コン!?」

その甘美な響きに、俺の耳がピクリと反応する。

「相手は西高の女子! メンツもかなりレベル高いらしいんだよ」
「マジかよ!」

西高といったら、可愛い制服で有名な女子高じゃねぇか!

俺のテンションは一気に跳ね上がった。

「行く!俺行くわ!」

即答する俺に、健司は申し訳なさそうに手を合わせる。

「いや、ありがたいんだけどさ……実は向こうの幹事から条件出されてて」
「条件?」

「一人でいいから、S級のイケメン連れてきてって……」
「……」