「やっぱりウソ。ごめん、変なこと言って」
「おい」
「じゃあね、また明日」
碧斗は逃げるように踵を返し、歩き出そうとする。
……バカ。
素直に言えよ。
恋人ごっこだとか、蛙化だとか、そんなことは今どうでもいい。
ただ友達としてあいつをひとりにしておけなかった。
「待てよ!」
俺はとっさに手を伸ばし、碧斗の腕を強く掴んだ。
「凪……?」
驚いて振り返る碧斗に、俺は明るく言った。
「碧斗の家で夕飯でも食おうぜ。久しぶりに碧斗の家で漫画も読みてぇし」
俺がそう言うと、碧斗はふわりと柔らかく笑った。
「……うん」
その笑顔を見て、俺はホッと胸を撫で下ろした。
やっぱりあいつには、寂しい顔より笑った顔の方が似合ってるって思うんだ。
それから碧斗の家についた。
まだお腹が空いていない俺たちは、碧斗の部屋で漫画を読むことにした。
俺は本棚から読みかけだった漫画を手に取り、クッションを抱えてゴロリと横になった。
それがいつものポジ。
碧斗も俺の隣に座り、スマホをいじり始めた。


