ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「じゃあ服でも見る?」
「えー、服は別に。疲れたし」

どうだ、このやる気のなさ。
せっかくのデートなのにこんな態度を取られたら、普通なら「帰る!」とブチ切れるところだろう。

チラリと碧斗の様子を伺う。
すると碧斗は、困るどころか優しく微笑んでいた。

「そっか。それならあそこのカフェで座って話そっか」
「あ、うん……」

なんかそんなに気にしてなさそう?

碧斗って冷静に心が広いよな。

ちょっとのことじゃ怒らないし、優しいんだよな。
ってしみじみ思っている場合じゃない!

今日決めるんだ、俺!
碧斗に別れようって言わせるんだろう!?

カフェに入り、俺はさらに作戦を続行した。

「俺、これとこれと……あとこれも」

大量のスイーツを注文作戦。

「凪、そんなに食べられるの?」
「おう、残したら碧斗が食えばいいだろ」

まぁ俺……本当は全部たべれるんだけど!
どうだ、この自分勝手ムーブ!

さあ、引け!
ドン引いてくれ!