……ん?
「ここ、寝癖ついてる。かわいいね」
碧斗の指先が、俺の髪のぴょこんと跳ねた部分をちょん、と軽くつついた。
「う、うるせぇ……!」
慌てて俺も手で撫でつけるけど、なかなか直らなかった。
「じゃ、行こ」
そう言って、ためらいもなく手を差し出した。
「えっ、なにこれ」
「だってデートでしょ?……ダメ?」
上目遣いでたずねて来る碧斗。
手繋ぐのかよ!
ダメだろ!と思ったが、今日は蛙化作戦を実行するために来たんだ。
ここで手繋を拒否してデートが上手くいかなかったら、それこそ用意してる作戦が無駄になっちまう。
まずはデートとして上手くやらなくちゃな。
俺は、意を決して差し出された碧斗の手を繋いだ。
碧斗は一瞬驚いたように目を見開いた後、本当に嬉しそうに笑った。
俺と手繋げてそんなに嬉しいのかよ。
変なやつ……。
こうして俺たちは映画館に行くことになった。
この映画ずっと見たかったんだよな……。
戦隊ものの映画なんだけど、前にいい感じになったかなちゃんを連れていった時は、こてんぱに言われたっけ。


