ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


そして日曜日。
俺は、部屋に差し込む強すぎる日差しで目を覚ました。

……ん? まぶし……。

寝ぼけ眼で枕元のスマホを手探りで掴む。
時間を確認しようと画面をタップした瞬間、表示された時刻に俺は息を呑んだ。

【 12 : 35 】

……は?
血の気が引いた。

碧斗との待ち合わせは、駅前に午前十時。
……マジかよ!?

蛙化作戦として、約束の時間にちょっと遅れてくるというセコい嫌がらせを実行するつもりだったが、まさかの二時間半オーバー。
これはさすがにやりすぎだ。

スマホを見ると、碧斗からの不在着信が5件。
メッセージも3件入っていた。

「やっべえええ!!」

俺はベッドから転げ落ちるようにして、適当な服を掴んで着替える。

もはや作戦どころではない。
碧斗のやつ、どうしてるだろう。

どこか店にでも入ってくれてればいいが……。
駅へ向かう坂道を全力で駆け下りる。

すると、ロータリーが見えてきた。