ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


相変わらずなに言ってるか分からないけれど、こいつはきっと俺のことを裏切ったりしないだろうって分かった。
まっすぐで、俺のことを見て選んでくれた。

それが俺にとっては心の救いになっていったんだ。
それからは、悠馬と一樹も友達になってくれて、学校も楽しいと思えるようになった。

ウワサも時間が経つにつれて、気づけばみんなしなくなっていった。
こんな生活が待ってるなんて思いもしなかった。

楽しいと、心から笑える毎日。
凪が、俺に光を照らしてくれたんだ。

凪は俺の太陽みたいな存在だ。

「……碧斗?おいって、聞いてんのかよ」
「え、あ、ごめん」

凪が不思議そうに俺の顔をのぞき込む。
その距離の近さに、心臓が少しだけ速くなった。

ああ、すきだ。
一番難しい人を好きになるなんて……なんでこう人生って上手く行かないんだろうな。

「飛行機雲が出てたからぼーっとしちゃった」
「うお!!!本当だ、すげー!」

あの日みた飛行機雲みたいに、友情は特別なものに変わってしまった──。