そのうち飽きてどこか行くだろう。
そう思っていたのに……。
「今日も来たのかよ」
「当たり前だろ」
あいつはそれから毎日、当然のように俺の側に寄ってくるようになった。
教室移動も昼休みもそうだ。
まるで友達みたいに隣にいる。
なんなんだ、意味がわからない。
俺と一緒にいたってなんの得もないのに……。
「お前さ、俺と一緒にいない方がどう考えてもいろんな人と仲良くなれるだろ」
ある日、俺は机に頬杖をついたまま尋ねた。
俺と関わる浅見のことを白い目で見るやつだって多い。
そんなことしなけりゃ、クラスの中心人物になれたのにさ。
すると浅見は、きょとんとした顔で首を傾げる。
「別に色んな人と仲良くなる必要なくね?俺は久遠と仲よくなりてぇって思ったんだし」
なんなんだ、こいつは……
ピュアでまっすぐすぎて戸惑った。
「なんで俺なんかと友達になりたいって思うの?」
俺がたずねると、凪は迷いなく答えた。
「直感だな!俺、久遠と仲良くなる気がした!」


