夜になればバイクの後ろに乗せられて、目的もなく街を走り抜け、コンビニの前でたむろをする。
ケンカを吹っ掛けられたら、そのケンカも全部受けた。
「碧斗がいればケンカ最強じゃね?」
「強い男は大歓迎だぜ」
「ずっとここにいるといい。ここがお前の居場所だ」
居場所。
その言葉がやけに響いた。
家に帰っても、誰もいない。
冷たい部屋で、コンビニの弁当をひとりで食うだけの日々。
それに比べれば、この場所は、ずっとマシだった。
そして俺は中学のほとんどを、彼らと過ごした。
ケンカの腕は上がり、名前だけがひとり歩きしていく。
悪いうわさが広まって、待ちゆく人に白い目で見られたっていい。
だって。
「碧斗、よくやったな!」
帰れる場所があるから……。
しかし、ある時。
そうではなかったのだと知ることになる。
いつものように溜まっていた路地裏。自販機で全員分のジュースを買って戻る途中、壁の向こうから聞こえてきた仲間たちの会話に、俺は足を止めた。
「碧斗のやつ、金払いいいじゃん?仲間にしといたほうがいいだろ」
「碧斗がいると女も寄ってくるしな」


