ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


けっきょく、俺と碧斗はいつも通りふたりで帰ることになった。
隣にはなんだか嬉しそうな碧斗と。

「はい、カバン持つよ。凪の家までちゃんと運ぶから安心してね」

めちゃくちゃ彼氏ムーブかましてきて……女子の公認をもらっちまったみたいで、さらに別れづらい方に行っちまってる俺。

あーあ。
どうしたらコイツと別れられるんだ……。
っていうか碧斗は俺のどこが好きなんだ?
コイツが俺を好きになる要素あるか……?

「……なぁ、碧斗」
「ん?」
「やっぱお前、催眠術でもかけられてるんじゃね?」

「凪……さっきから何言ってるの?」

不思議そうな顔を浮かべる碧斗。
じゃなきゃおかしいだろ!

「だいたいお前って俺のどこが好きなの」

呆れながらそう尋ねたら時、はっと気がついた。