その日の帰り道、ホームルームが終わり俺たちは4人並んで駅まで歩いた。
西日がまぶしくて、照り返しでアスファルトがじんわり光ってる。

季節はもうすぐ夏。
なんかこう、センチメンタルになる気温だった。

「あ"〜〜あちぃ……」

「あんま暑いって言わないでくれる?こっちまで暑くなるでしょ」

一樹が気だるげに言う。

「俺……このままロクに恋愛も出来ずに生涯を終えるのかなあ」

「お前は恋愛したいのか?」

「そりゃしたいだろ!」

話題はいまだに俺のさっきの告白の話だ。

ああ、なんか悲しくなってきた。
何回も告白してるのに、今だ成功はなく彼女が出来たためしがない。

高校生になったらきっと、甘酸っぱいキラキラライフが送れると思ってたのに……。
このままフラれ続けて相手もできず……周りの幸せそうな姿を見ていかなきゃいけないなんて……。

「なんてツラい人生」

夕焼けが差す歩道をとぼとぼ歩きながらつぶやく。

「さすがに可哀想に見えてきた」

一樹でも同情してくれるようになったか。

「でもさ、凪も悪いぜ?すぐ一目ぼれするし、そんなに相手のこと知らないのに突き進むし……」