ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


それから学校について俺たちは授業を受けた。
次の作戦は……昼休みに実行だ。

ようやく念願の昼休みになり、俺たちは机を向かい合わせて4人で昼食をとっていた。
俺は弁当を開けながら、向かいに座っている碧斗をちらっと見る。

碧斗……今度こそお前にもう別れたいって言わせて見せるからな。
俺はガツガツと口にご飯を詰め込む。

「ちょっ、凪〜お腹空いてたの?食べ方汚いよ〜」

悠馬が呆れ顔で言う。
一樹もうげ、という目で俺を見ていた。

そうだ、そうだ。その反応が正解だ!

「しょーがないだろ、めっちゃ腹空いてんの」

そして俺はそのまましゃべり出した。

「ほんではぁ~俺は、いっひゃわけよ~」

しかもわざと口の端に一粒、白いごはん粒を残した。
女子だったら「うわ、ついてる」ってすぐ蛙化するやつだ。

碧斗の視線が、ちらっと俺の口元をかすめた。

……お、見てるな。
いいんだぞ。ハッキリ気持ち悪いと思ってもらって。
そんで別れたいと言ってくれたら、俺は止めたりはしない。
だってそれは仕方のないことだからな。