その日、俺は家にひとりで帰宅した。
当然あれだけ食って腹が減ることもなく、俺は帰るなりすぐに自分の部屋に引きこもった。
そして考えるのは碧斗のことだ。
このまま碧斗と別れられなかったら、恋がはじめられねぇじゃねぇか。
俺のハッピー青春ライフが……。
だいたい俺は女の子が好きなんだよ!
碧斗みたいなイケメンで逞しくて頼れる彼氏が欲しいわけじゃねぇの!
それなのに……碧斗があんな感じなら、もしかしてこのまま一生!?
女の子と付き合えず終わっちまうのか!?
そんなの絶対に嫌だ!
なんとしてでも碧斗には別れることを了承してもらわないとならねぇ。
でもそのまま別れたいって伝えてもダメだったし、どうしたら……。
うーん、と考えて思う。
そうだ……!
別れてもらえないなら、こっちから嫌われればいんじゃないか?
『やっぱりさ、凪のこと好きだって言うのは無しにして』
そうだ!
名案だ!
俺から言うのが無理なら碧斗に嫌われればいいんだ!
俺はひとりで頷く。
そうと決まれば、どうやって嫌われるかだな!


