ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


こうして俺たちはふたりで駅前のカフェにやってきた。

駅前のカフェは、放課後の女子高生でほぼ満席だった。
人目が気になるが、彼女と来れない俺は碧斗と来るしか選択肢がない。

あ、いや……今は俺碧斗の彼女なんだっけか?
いや紛らわしいのとは今は無しだ!

俺たちのテーブルに運ばれてきたチョコバナナパフェは、想像を絶するデカさだった。

そびえ立つ生クリームの城。
宝石みたいに散りばめられたフルーツ。

「うお……!でっけぇ!」
「全部食べられるかな?」

「余裕だろ」

俺は感動した。

悠馬も一樹も甘いものが嫌いだ。
こういうのに付き合ってくれるのは碧斗しかいない。

「完食チャレンジな、絶対に食切るぜ」

俺がスプーンを二本持って、ニヤリと笑う。
すると碧斗もやる気満々スプーンを持ち出した。

「どっちが多く食えるか勝負な!」
「仕方ないなぁ」

朝までの気まずさがウソみたいに、俺はテンションが上がっていた。
俺はさっそく上にある生クリームの山に突撃した。

「うめええ!このアイス、超濃厚!」

口いっぱいに頬張ると、冷たい甘さが脳天を直撃する。

「凪、そっちのチョコソースも美味しいよ」
「マジか!」

もう夢中だった。