ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「最近けっこう距離近くね?」

俺がそうやって聞いてみると、ふたりは顔を見合わせてきょとんとした顔をする。

「あー……いや、なんつーかさ」

なんて聞いたらいいか分かんねぇ!

「なんか変じゃないかって!」

コイツらは普段一緒にいるのに気づかねぇのかよ!

あの碧斗の彼氏ムーブ。
見てれば分かるはずだー!

しかしふたりは意味が分からないとでもいいたげな表情を浮かべた。

なんで伝わらねぇんだよ!

「そうかなぁ?」

悠馬はあごに手をあて、考えるそぶりを見せながら答えた。

「別に最近変とかはないけど……碧斗は元々、凪にだけ距離が近いよね?」

一樹に同調を求めると、一樹はこくこくと頷きながら言った。

「そうそう。俺たちにはまだ心開いてないところがあるけど凪には心預けてる感じがするよね」

俺には心預けてる?
そうか?

俺からすれば悠馬にも一樹にも平等に心開いてるように見えるけど……。
いつも一緒にいるのは変わらないしな。