ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


あの日から一夜が明けた。
昨日は普通に一緒に帰って解散って形になったものの俺は、昨夜ほとんど眠れなかった。

碧斗がまじでなにを考えてるのか分からねぇ!
今日の朝だって玄関を開けると、昨日となにも変わらない顔で碧斗が立ってるし?

「おはよう、凪」
「……お、おぅ」

いつも通りの笑顔が今は恐ろしく感じる……。

「今日の放課後はなにして遊ぶ?」
「あー……えっと」

遊ぶのは決定なのか?
いや、友達としてなら予定もねぇしいいんだけど!

昨日の話を聞いてから遊ぶってなるとまた特別な意味を持ちそうで……。

「俺の家に来てもらってもいいし、凪の家で漫画読むのでもいいよね」
「お、おう……」

並んで歩く通学路も、地獄のような気まずさだった。

だいたい碧斗は本当に俺のことが好きなのか?
好きだとしたらいつ好きになった?

好きになるような要素ねぇぞ!?

相変わらず分からないことばかりだ。
「冗談だよ」とか「ドッキリでしたー」なんて言ってくれたらスッキリするのに。