ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


むなしさが胸に広がる。

「なんで……」

全ての原因は、こいつだ!

「おい碧斗……俺と約束なんてしてなかっただろ!せっかく佐藤さんたちが誘ってくれたのに……!」

俺が睨みつけると、碧斗は急につまらなそうな顔をして言った。

「だって、なんか凪……あわよくばって思ってそうで嫌なんだもん」

「あわよくばって思うだろ!」

思うに決まってるだろ!
佐藤さんと仲良くなれるチャンスを碧斗のせいで失ったんだぞ!?

もっと反省した顔しろよな!

「あのなぁ……お前はなにもしなくても女子が寄ってくるから分かんねぇかもしれねぇけど!ああいうチャンスを逃すと一生俺にチャンスは巡って来ないの!」

俺が必死にいい聞かせる。
しかし、碧斗は落ち着き払った態度でつぶやいた。

「……なんで」

その態度が余計俺をイラつかせる。

なんでだと?
あーそう、イケメンには分かりませんってか?

「なんで、俺がいるのにそんなチャンスが必要なの?女子とあわよくばなんて思ってる凪みたくないよ」

「は……?」
「俺じゃ不満?」

なに言ってるんだ……。