俺もちゃんと鍛えたら、あのレベルの胸板になれんのか?
いや、あいつは生まれつき体格いいし……そもそも身長も足りてねぇし……。
どう頑張っても俺が碧斗くらいになるのは無理(泣)
「……やっぱり神様は残酷なんだな」
「陽?」
女子は絶対がっちりした男が好きだよなあ。
俺がモテないのは必然……。
「とりあえず筋トレだけするわ」
そんなことを考えていると、俺の腕を碧斗が再び掴んだ。
「しなくてもいいよ」
「は?」
そう言って碧斗は有無を言わさず、俺の体をぐいと歩道側に押しやる。
そして、自分が当たり前のように車道側に立った。
「俺がいつでも守ってあげるから」
──ドキ。
いや、ドキってなんだよ!ドキって。
こういうの女子にやるやつだろ!!
見せつけかよ!!
「……嫌いだ、碧斗なんて!」
俺が睨みつけると、碧斗は不思議そうに首を傾げた。
「凪?」


