ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


「あ、僕も今日は塾があるから、ここで失礼するよ」

「え、お前もかよ!」
「じゃあまた」

一樹もあっさりと別れを告げて去っていった。

「あいつら……なんだかんだいそがしそうだよなあ」

けっきょく、俺と碧斗のふたりだけが並んで帰ることになった。

「光、歩くの疲れたー」

そんなことを言いながら碧斗は俺の肩にアゴを置く。

「おい、近いって」

ぐいっと碧斗の顔を押しのける。

またカップルごっこか?
もう悠馬と一樹もいないし、してもしょうがねぇだろ。

あのふたりにはあんまりいい反応もらえなかったしな。

「てか、凪に貸してた漫画あるよね?あれ返してもらおうかな」

「おうーいいぞ。じゃあうち来れば?」

碧斗の家と俺の家は近いこともあって、よく行き来している。
碧斗の家は母ちゃんだけで、仕事に行ってることが多くてヒマらしい。

「じゃあ、お邪魔しようかな」

家に着くと、母さんは仕事で出かけていて誰もいなかった。