ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


それからホームルームが終わり、いつものように4人の元に向かった。

部活に入っていない俺らはいつも一緒に帰るのが日課だ。

「おーい、お前ら帰ろうぜー!」

声をかけると、自分の席でカバンに荷物を詰めている悠馬と、スマホを眺めている一樹の姿しかなかった。

「あれ、碧斗は?」

いつもなら一番に準備を終えているはずの碧斗がいない。
俺の問いに、悠馬がニヤニヤしながら顔を上げた。

「呼び出しだって。3組の佐々木さんから。あれ絶対告白だよ〜」
「またかよ」

碧斗はまじで1週間に一度は必ず誰かに呼び出され、告白を受けている。
俺もそんな選び放題みたいな状況味わってみてぇよ……。

「まぁ、どうせすぐ終わるだろうから待ってようか」
「そうだな」

そんな話をしていると、案の定碧斗はすぐに教室に戻ってきた。

「終わったのか?」
「うん」

「なんて返したの?告白だったんでしょ?」

悠馬が興味深々に尋ねるが、碧斗はさらりと答えた。

「別に、ごめんなさいって答えただけだよ」
「えー、それだけかよ。佐々木さん、結構可愛かったじゃん」

「もったいないよね、碧斗って告白全然OKしないし」