ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる


俺は悠馬と一樹に向き直り、真剣な表情で伝えた。

「……お前らに、言わないといけないことがある」

拳を握りしめ、意を決して告げる。

「俺たち……付き合うことになった」

一瞬の静寂の後、悠馬と一樹が向き合って笑顔を見せた。

「おめでとう」
「よかったな」

温かい声をかけてくれる。

きっと俺よりも先にふたりは碧斗の気持ちに気づいていたんだろうが……やっぱりちゃんと報告したいと思った。

「全く、驚くよね~」

悠馬は手を頭で組みながら伝える。

「最初はノリで始まったのに?本当に付き合っちゃうんだもん!」

それは俺もそうなるとは思わなかったけどな。

すると悠馬は碧斗に言う。

「嫌なことあったらすぐに言ってね?凪のこと説教しておくから」
「なんで俺の方って決まってんだよ!」

「うん、ありがとう。でもまぁ……大丈夫だよ。大事にするし、大事にしてもらうから」

悠馬の軽口に碧斗が涼しい顔で返す。
ふたりは「おお~!」なんて言って感動していた。